摘発相次ぐ児童買春出会い系サイト悪用

「援助交際をしているようだが、事情を聞かせて欲しい」――。新潟市に住む高校3年の少女(当時17歳)の携帯電話に、警察官を名乗る人物からメールが入ったのは今年5月31日。知らないアドレスだったが、内容には心当たりがあった。

メールで数回やりとりした後、「相談に乗る」という言葉を信じた少女は6月1日未明、待ち合わせ場所の市内の路上で相手を待った。すると突然、背後から目隠しをされ、粘着テープで両手を縛られた。少女はあっという間に乗用車に連れ込まれ、車内で暴行された。

約3か月後、この少女を逮捕監禁したなどとして、新潟市の無職男(42)(児童買春・児童ポルノ禁止法違反で起訴)が再逮捕された。男は、かつて携帯電話の出会い系サイトで知り合い、援助交際もした相手だった。

男は、その際に少女のアドレスを入手。自分の身元を隠すため、民間サーバーを介してメールを転送させる通称「サブアド」と呼ばれるサービスを利用し少女にメールを送信していたという。

少女の性を“商品”とする事件も増えている。今年4月、吉田町の暴力団組員(34)(公判中)が、児童買春を「業」として周旋していた同法違反容疑で摘発された。県内では初のケースだ。

組員は出会い系サイトや知人を介し、少なくとも20人の女性に「おれがバックにつけば安心だ」などと援助交際を持ちかけ、出会い系サイトで募った男性に1回3万円程度で紹介。稼ぎの半額を手数料として受け取っていた。管理下においた女性の半数は中高生を含む18歳未満の少女だった。

また上越署は今月1日、出会い系サイトで知り合った男(25)に女子高校生を紹介したとして、無職少女(16)を同法違反で逮捕した。少女は、元同級生の女子生徒に「男を紹介するから援交して稼いで」などと指示。代金の3分の1程度を女子生徒から受け取っていた。

県警少年課によると、県内で今年摘発された児童買春・児童ポルノ禁止法違反事件は計41件で18人が摘発された(6日現在)。これは1999年の同法施行以降、最高だった2002年の39件、20人に匹敵する数字だ。

摘発された18人中15人は、携帯電話などの“出会い系サイト”を利用していた。出会い系サイトを巡っては、03年9月に「出会い系サイト規制法」が一部施行され、18歳未満であっても、金銭の授受を伴う「援助交際」の書き込みは禁止された。

しかし、県内での摘発は昨年の1件だけにとどまる。また、18歳未満の少年少女へのわいせつ行為など県青少年健全育成条例違反事件の摘発件数も今年1~8月で33件、33人に上り、昨年1年間の20件、20人を大幅に上回る。

県警幹部は「援助交際は常に危険と隣り合わせ。最悪の結果につながる可能性は常にある」と警鐘を鳴らす。県警少年課は、少女たちの性を取り巻く環境が県内でも大きく変化していると分析。夏休み明けの今月、福祉犯被害少年保護活動を強化し、「積極的な検挙で警鐘をならしたい」としている。

少女たちはなぜ「援助交際」に走るのか。現場で多くの被害少女に接してきた県警少年課「新潟少年サポートセンター」のベテラン女性補導員(42)に、少女たちの内面について聞いた。

――援助交際を経験した少女と接して感じることは

性非行に走る女の子のほとんどが、「どうせ自分なんて」などと自分を否定する言葉を使う。ほとんどは親子関係がうまくいっていない。自分をうまく表現できないとか、親の方に子を理解しようとする忍耐が欠けているとか。

親からの愛情を感じていない少女は、大人の男から少しでも愛情をかけられると過剰に反応してしまう。お金が入ればなおさら良いという発想につながる。だから、心で罪悪感は感じていても、犯罪の被害者という意識を持つ子は少ない。

――被害者少女の低年齢化が進んでいる?

ショックだが、それは実感としてある。携帯電話の普及で、そういう出会いの機会が増えている。援交相手を探すのは、ほとんどが携帯の出会い系サイト。

――金の使い道は?

ブランド品や自分自身を着飾るもの。援交に走る少女の多くは、自分が認められる場がないと肌で感じている。でもブランド品を持つと、学校などでいい扱いを受ける。援交して買った15万円のブランドバッグを誇らし気に私に見せて、「2万円位のバッグでは何個買っても誰も興味を持ってくれない」と話す少女もいました。

――周囲は被害少女たちにどう接するべきか

援交した子に面と向かって「汚らわしい子」と叫んだ親もいる。でも、そこからは何も生まれない。親は、たとえ稚拙であっても子どもの言い分を聞いて欲しい。少女たちは「わかってくれる人がそばにいる」と思えれば、違った自分の表現方法を見つけるはずです。