最悪を記録した被害者数は減少

提言は、出会い系サイトによる被害防止策を、サイト事業者の責任明確化、児童の利用防止、不適格業者の排除-の3点に集約。サイト事業者に、都道府県公安委員会への届け出を義務づけ、違反者に刑事罰を科すことや、現行法で利用者の自主申告に頼っている年齢確認を「年齢詐称による児童の利用が容易になっている」として、事業者にいっそうの確認強化を要望している。

さらに、利用者が児童だと分かった場合や、大人が児童に買春などを誘いかける書き込みをしていることが分かった場合、業者は書き込みを削除し、利用者をサイトから退会させる責任があることを、規制法に明記することも盛り込まれた。

また、規制法に停止命令を設け、現行法の是正命令に従わない業者を事業停止にできるようにするほか、暴力団員など欠格事由を明記し、不適格な業者の排除を可能にする行政処分の仕組みを強化するよう提言。停止命令などの実効性を持たせるため、命令に従わない業者への刑事罰も警察庁に検討するよう求めている。

一方、児童の被害防止には保護者や携帯電話事業者の役割も大きいとして、出会い系サイトへの接続を制限するフィルタリングの普及を進めるよう努力する義務の明記を求めている。

出会い系サイトをめぐっては、18歳未満の少女らが、サイトをきっかけに児童ポルノ事件やわいせつ行為の被害者となるケースが多発。警察庁は平成15年に規制法を施行し、取り締まりを強化。その結果、15年に1278人と最悪を記録した被害者数は16年、減少に転じ、17年には1061人となった。

しかし、18年には再び増加。19年の上半期も18年並みの水準で推移している。警察庁は「規制法施行から4年が経過し、効果が薄れてきている」として、改正作業を進めていた。

出会い系実態「18歳女性」の遊び相手募集に、1時間で返信138件

「援」「○できる人募集」「(金額は)2~、ホ別1」…。出会い系サイトでは、こうした援助交際を婉(えん)曲(きょく)に誘う書き込みを大量に目にする。

警察庁の委託を受けた「社会安全研究財団(社安研)」が、出会い系サイトの実態を把握するために「18歳女性」を名乗って2つの大手サイトに遊び相手を求める書き込みをしたところ、1時間に138件もの返信があり、うち46・4%に当たる64件は援助交際を求める内容だったという。

警察庁の推計では、現在ネット上に存在する出会い系サイトは約5000。青少年が簡単に買春やわいせつ事件の被害者になり得る危険が、ネット社会のどこにでも口を開けていることが分かる。

社安研が昨年1月から2月にかけて10都道府県の中学2年と高校2年の女子生徒約3080人を対象に実施した調査によると、7・9%に当たる244人が「出会い系に接続した経験あり」と回答している。

調査結果などから、少女が書き込んだこうした1件1件に、短時間のうちに男性からの膨大な返信が寄せられている実態が浮かぶ。

警察庁のまとめでは、児童買春の被害の約半数が、出会い系サイトを利用していた。こうした調査結果から、警察当局は、青少年が出会い系にアクセスできない環境を確保することが必要だとして、フィルタリングの積極導入を進めている。

しかし、昨年1月に総務省が実施した調査によると、子供の携帯電話に「フィルタリングサービスを利用している」と答えた保護者は4・2%にとどまり、その後も利用者数の伸びは鈍いという。

被害児童数が1278人に上った平成15年に施行された出会い系サイト規制法は、17年には1061人まで被害児童数を減らす効果があったが、18年には1153人と増加に転じた。

研究会の提言がサイト規制法に罰則や、悪質業者の「退場」など厳しい対策を盛り込んだのは、児童にとっての出会い系サイトをめぐる危険な実態を反映したものとみられる。